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東京大学文学部卒 文学修士
東京大学名誉教授。日本英文学会、日本シェイクスピア協会会員。
2001年3月東京大学大学院教授(総合文化研究科)退官。埼玉工業大学人間社会学部長などを経て、
2008年4月了コ寺大学教養教育センター長に就任
2010年4月了コ寺大学学長に就任
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日本の大学のあり方を定める法律を「大学設置基準」といいますが、今から17年前の平成3年にその大改正が行われました。この改正は、それまで大学のあり方を法律で細かく規定していたのに対し、法律は大学のあり方の「大綱」のみを定め、細部については大学の自由裁量に委ねるという、高等教育の分野における規制緩和とも言えるものでした。それまであった教養課程と専門課程の区別は廃止され、授業科目や教育課程の編成は各大学に委ねられました。この法改正の結果、それまでとかく論議のあった教養課程はほとんどの大学で廃止され、大学教育は大きく専門に傾きました。こうした流れに対して、平成14年2月に、中央教育審議会は、「新しい時代における教養教育のあり方について」という新たな答申を出し、改めて現代における教養教育の重要性を力説しました。これは、大学設置基準の大綱化以降、教養教育が弱体化する日本の教育界の潮流とは反対に、複雑化する現代社会においては、教養教育を通じて総合的な判断力や未知の問題を解決する能力を身につけることがますます重要になってきていることが認識されたからにほかなりません。
了徳寺大学は健康科学部と芸術学部の2学部からなり、医療と芸術の分野における専門家を育成する大学です。どちらの学部も極めて高い専門性をもち、学生諸君が習得すべき専門の知識や技能はたくさんあります。しかし、いずれの分野にせよ、そうした知識や技能を習得するだけでは充分ではないでしょう。医療の分野において技能が真に役に立ち、芸術の分野において作品が人の心を動かすためには、一人ひとりの創意工夫や独創性が欠かせないのは自明です。特に医療分野では、未知の問題に直面したときにこれを解決する能力がなければ一人前とはいえないでしょう。この独創性とか問題解決能力という点で重要になってくるのが教養です。教養を身につけるのは断片的知識を身につけて物知りになることではありません。教養科目を学ぶ真の目的は、様々な学問分野の基本的な知識を身につけるとともに、それらの学問分野の考え方を理解することを通じて、様々な角度からものを見る態度を身につけることです。何もないところから独創は生まれません。さまざまな角度から物事を見る力こそ、新しい発想、真の独創をつくりだす土台です。新しい問題を考えるときに、専門分野とは異なる視点を導入することが解決に結びつくことは決して稀ではないでしょう。
様々な角度からものを見る能力は単に学問や芸術の分野で重要であるばかりではありません。広く社会生活そのものが、自分と異なる様々な生き方・考え方を理解することから成り立っているといってよいでしょう。学生のみなさんが4年間の大学生活を通じて、専門分野の確かな知識・技能に加えて、独創性や総合的な判断力を備えた立派な社会人に成長されることを願ってやみません。
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