高血圧のメカニズムとストレスフリー療法(会長著作本より抜粋)

 現在、日本人で高血圧の方は4000万人いるといわれています。
これは、成人のおよそ2人に1人高血圧ということです。最近では若い人の間にも広がってきています。原因としては以下のことが挙げられるでしょう。

 実は私たちの脳は、質量比、これは体重比といってもいいのですが、脳の質量比は全質量のわずか3%なのです。
その一方で、脳が本来必要とする血流量は総血流量の18%で、単純計算で、他の組織より7倍の血液を必要としていると考えられます。ところが人間の脳は、立位歩行のため、一番高い位置にあります。そのため、下から圧を上げないと血液は巡っていきません。

 さらに動脈硬化や高脂血症がありますと、血管壁が劣化していたり、血液の粘度が高くなっていたりで、血流が悪くなっています。当然のように、血圧は上がらざるを得なくなります。そうしないと人として最も大事な脳が活動できない、つまりは当たり前のことなのです。ほとんどの高血圧症は、原因が特定できない本態性高血圧症ということになっていますが、冷静に、流体力学的に考えた場合、極めて当然のこととして、血管の老化や劣化が、その根底にあると考えられます。

流体力学的には、管抵抗は流量を左右することは自明のことです。
さて、高血圧の方が4000万人と申し上げましたが、これにはカラクリがあります。
血圧の判断基準が2004年に改定されているのです。
上を収縮期血圧、下を拡張期血圧といいますが、従来は、上160mmHg、下95mmHg以上を高血圧と定義していました。それが、上140mmHg、下90mmHgと、基準が厳しくされたのです。このことで、日本の降圧剤薬剤費が激増しました。
2002年に5000億だったものが2004年には8000億、現在は1兆円を超えていると試算されています。

 そんな高血圧症に関連して、フィンランドでは15年にわたって累積死者の調査が行われています。降圧剤を処方されて真面目に飲んだグループ、処方されても嫌がって飲まないグループの2つに分けて調査が行われました。しっかり服用したグループは、飲まないグループより良好な結果が出ると、ほとんどの人がお考えになるでしょう。
ところが、蓋を開けてみると、全く予想外の結果が出たのです。まずは降圧剤を真面目に飲んだグループですが、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)が低下して、痴呆症や癌死が目立つという結果が出ました。これはある意味、当然なことといえます。

 実は、痴呆症で一番致命的な要因は、脳における血流の障害と言われているのは広く知られた知見です。血液が流れないのは、先述の血管全体の管抵抗の問題もありますが、脳の中の動脈硬化が大きな原因だと言われています。その上、血圧を下げる薬を服用しているのですから、脳への血液がさらに流れにくくなると考えられます。

「ストレスフリー療法」を実施すると、殆どの患者様の血圧が正常化されます。
「ストレスフリー療法」によって、血管内皮細胞増殖因子VEGFや血管作動性腸管ペプチドVIPが増えることが証明されています。
これらが作用して、血管の内皮を改善させ、また血管弾力性を回復させるなどして血管を広げ、血流を良くした結果、血圧が正常化されると考えられます。「ストレスフリー療法」をすると、直後に末梢では2.0倍以上の血流が増えることが証明されているのです。
血流量をこのように大幅に改善できる方法は、現代医学では確立されていないことなのです。

 血流が増えると、全身の細胞や組織は大幅に活性化されます。それは、全身の細胞や組織に不可欠な酸素やグルコース、さらには脂質やビタミンがふんだんに供給されるからにほかなりません。血流量が増えるのは、血管の管抵抗性が改善されるだけでなく、血管作動性腸間ペプチドVIPの働きも加わって、血管の弾力性が著しく改善されていると考えられます。実際に、VIPは血管を拡げる作用があると広く知られており、心筋梗塞などの症状に働きかけ、改善されることがわかってきているからです。

 このような一連のドミノ倒しのような反応が、血圧を正常化するだけでなく、インスリン抵抗性を改善し、インスリン濃度が下がりながら、血糖値が正常化されるという、驚くべき現象につながっていきます。

= ストレスフリー療法研究会 了徳寺健二会長著『長生きのスイッチ』より抜粋 =