「嫌ですっ」
山田監督からの要請を、即答で断ってから一年以上が経ちました。
やるとなると大変な作業になることは、容易に想像がつきました。
なんせうちの選手はわがま・・、いや、自己が確立している選手が多いですからね。
その他にもクリアしなければいけない問題は山ほどありますし、その負担はかなり大きいと感じました。
絶対やりたくない・・・。
話によると、どうも私がコーチになる前から「その」話はあったようで。
拒み続けていたんですね〜。元コーチのトビ先輩。その気持ち、すごくよくわかりましたよ。
監督からの要請
「チームTシャツを作ってほしいんだけど・・・」
去年は、なんとかごまかして逃れました。しかし、今年は監督の「姑の嫁いびり」のような口撃に負け、作る運びとなりました。
「やると決めたら徹底的にやる!」
じいちゃんの遺言でも、座右の銘でもありませんが、なんだか、そんな気持ちになりました。
なんせ、いい加減なものを作った日にゃ、選手からのダメ出し、罵声、ののしり、文句、いちゃもん、悪口、陰口、アホ、ボケ、カス、・・・クレームの嵐。・・・クレーム!?
そうだっ!製作業者は「クレーマー」で行こう(笑)
なんて、くだらないシャレで決めたわけではないですが、数多くの製作業者の中から、価格、質、デザインの自由度、応対の良さなどを比較し、クレーマージャパンさんに製作をお願いしました。
デザインはどうするか・・・?
形にするのは業者のデザイナーさんにお任せするとして、方向性だけは示さなければいけない。
うーん・・・、始めっから暗礁に乗り上げてる。
かの有名なクリエイティブディレクター佐藤可士和さん曰く、
「アイデアとは、無理やりひねり出すものではない。対象を整理し、相手から見つけ出すものだ!」
考える必要などなかったんです。
そのまま了徳寺学園を、学園柔道部の選手をデザインで表現すればよかったんです。
使う色は5色。ジャージにも使われている了徳寺カラーの「緑」と「黄色」。柔道着の「白」と帯の色の「黒」。そして、最高の色・・・「金」。
背中に了徳寺学園を背負う。字体はスタイリッシュ、シャープ、かつダイナミックに。それはまさしく、うちの選手そのもの。
世界で活躍する選手ため、ローマ字にしました。
まだまだ柔道部自体の歴史は浅いですが、これまでの先輩方(OB,OG)への敬意を払うとともに、これから末永く繁栄することを願い「SINCE2000」と付け加えました。
左胸にはエンブレム。群れず大空高く舞い、鋭い目つきで獲物を狙い、大きな爪で掴んで離さない。強き「鷹」をマスコットとして飾りました。
鷹か鷲か・・・、
「オギワラでもハギワラでもどっちでもいいよ・・・」
Byふかわりょう的な発想で、当初は鷲でした。しかし、猛禽類(←この言葉すら私は読めませんでしたが)に詳しい方に伺ったところ、
「最強の猛禽類は鷹だっ!」
違う専門家にもアドバイスをいただいたところ、
「加藤 た・・・」
鷹に決まりました。
鷹の後ろには「白星」を積み重ね、連戦連勝をイメージ。
さらに、エンブレムの上には「金星」を一つ。
「金星」はそう、昨年、福見が取った星です。今年の9月にはたくさんこの星が増えるでしょうね。
右胸には理事長先生が、常日頃からおっしゃっている「誇り」と「自信」をデザイン。
ななめ上を指し示す矢印の上に「BE PROUD」の文字を重ねました。矢印の指す方向は「右肩」=右肩上がり・・・ダジャレですけど何か問題でも?
矢印は図太く。みんな図太いもんなぁ〜。
完成だっ!
でも、なんか物足りないし、つまんな〜い。
自己主張の強いうちの選手ならではのもの・・・。
名前?
名前を入れよう!
漢字で?いやいや、中高生の体操服じゃあるまいし。
勝手にコードネーム作って入れちゃお☆
気に入らなかったら?
ごめんなさい。
出来た!!
選手が気にいってるかどうかは知らない(知りたくない)ですが、出来上がったことに満足です。
自己満か・・・?私が一番勝手なのかもしれませんね。
デザインの良し悪しは別として、了徳寺学園が、また、選手自身が、もはや「ブランド」ですから、その選手が着ているものは当然「ブランド」です。
グッチ?プラダ?かかってこいやっ。
ビィトン?フェラガモ?おとといきやがれっ。
ということで、了徳寺学園をごひいきにされている皆さん。
選手それぞれに付いてるコードネームを探して、その暗号を解いてみるのも楽しいかもしれませんね。
担当してくれました藤井さん。デザイナーの田中さん。わがままな注文にも対応していただき、ありがとうございました。
さて、もうすぐ世界選手権です。
選手が「世界一」という最高の獲物を掴めるよう、精一杯サポートしていきたいと思います。
あっ、ちなみにチームTはTシャツではなくポロシャツです。
「襟を正す」という意味で・・・。
すいません・・・こじつけです。