石井孝法 75

トレーニング編 第10回

居酒屋でプロテインを飲みながら,
トレーニング談義をしている時に,

「Big 3(ビッグスリー)」

というコトバを聞いたことがあると思う.

ビッグスリーをWikipediaでみてみると,

「ある分野のうち頂点の、
 あるいは代表的なライバル関係である3者を総称して言う言葉」

とある.アメリカ自動車メーカーのビッグスリーといえば,

「ゼネラルモーターズ」「フォードモーター」「クライスラー」

である.

もちろん,皆さんご存知だと思うが,
闘魂三銃士は,

「武藤敬司」 「蝶野正洋」 「橋本真也」

で,トレーニングのビッグスリーは,

「ベンチプレス」 「スクワット」 「デッドリフト」

である.

トレーニングを始める時に,

「まず,ビッグスリーを」

と言われるのには,いろいろと意味がある.

一般に重要な筋肉というと,
体幹に近いところにある大きな筋群である.

背中の中央に位置して,
背骨を支える脊柱起立筋や腹部の腹直筋,腹斜筋は,
姿勢を維持している大きな筋群である.
お腹の奥にあり,
腰椎と大腿骨をつないでいる大腰筋,
お尻の大殿筋,中殿筋,梨状筋や内ももにある内転筋も
大きな筋群で股関節の筋肉として上半身を支えている.
姿勢の維持やバランスに関わる筋群は,
どの競技でも基礎になる部分であり,
一般の方にとっても重要だといえる.

こういう重要な筋群から,ということがひとつである.
また,「まず」ということにも理由がある.

これは,「プライオリティの原則」に従っているのである.
「プライオリティの原則」の考え方は,
「もっとも重要な部分のトレーニングを,
 疲労が蓄積していないうちに行う」
というものである.

大きな筋群から鍛えないと効果がない理由は,
とくに複数の関節を動かすようなトレーニングをする場合,
小さく弱い筋が先に疲労すると,
それが制限要因となって,
大きな筋が疲労しないうちに終了してしまうからである.

プレエグゾーション法(事前疲労法)もあるが,
これは特殊なものであり,
間違えて用いると上記のように制限要因になり,
効果が得られないことがある.

ただ,ビッグスリーを本気で取り組むと,
あまりのハードさに吐き気がする.

これを避けるかのように,
マシンに座り,気持ちよく反復できる負荷で,
トレーニングをしている(気になっている)人もいるが,
何を目的としているかをもう一度考え直した方がよい.

私も弱気になりそうな時があるが,
そういうときは,

「さんま,タモリ,武」と3回唱えて

パワーラックに入っている.

皆さんは,
私のマネだけはしないでほしい. 

以上

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