本日行われましたグランドスラム東京の2日目の結果を報告します。
73kg級
秋本啓之:優勝
秋本は初戦を背負投・有効、3回戦を袖釣込腰で下し手勝ち上がります。準々決勝では世界選手権の3位決定戦で不覚を取ったジュラコビロフを袈裟固で下して、準決勝に進出しました。準決勝では同じく世界選手権で敗れた中矢に対し序盤から攻め込んで主導権を握り、相手に指導が与えられます。引き続き、攻め手を緩めない秋本は、低くはいった背負投を押し込んで、見事一本勝で決勝に進出します。決勝では強敵イサエフに対して何度も後一歩というタイミングで技にはいるものの、ポイントを奪うまでに至らず、GSに突入します。GSには行った直後に袖釣込腰で技有を奪い、接戦に終止符をうって優勝を決めました。
この日の秋本は指の怪我こそありましたが、気持ちに入った柔道を展開して、全試合を終始自分のペースで戦い抜きました。昨年のアジア大会で負った怪我のあと、不調に苦しんだ秋本でしたが、世界選手権できっかけを掴み、一回り大きくなって戻ってきたように思います。これから更に稽古を積んで、来年の目標に向けて準備させたいと思います。
90?級
小野卓志:5位
小野は、初戦を合技(内股+背負投)、2回戦を大内刈で下して、準々決勝で世界選手権の3位決定戦を争った韓国のリと対戦します。この試合は両者譲らないままGSに入り、延長でもポイントのないまま勝負は判定に委ねられました。判定では技数で勝った小野に上がるものと思われましたが、1-2でリに上がり、悔しい敗戦となりました。
初戦から切れの良い技で勝ち上がり、準々決勝は厳しい戦いになりましたが、流れは小野にあると思っただけに悔しさが残ります。しかし再度課題に取り組み、マスターズから始まる来年の戦いに向けて万全の準備をさせたいと思います。
57?級
佐藤愛子:2位
佐藤は、初戦を合技(背負投+横四方固)、2回戦を背負投、準々決勝を指導3で下し、準決勝に進出しました。準決勝では若手のホープ・山本を縦四方固で抑え込んで、決勝に進出しました。決勝ではライバル松本との対戦となり、指導を受けるもののお互い決め手に掛け、勝負は延長に突入しました。延長に入った後、佐藤が掛けた背負投が崩れたところを浴びせられて有効を奪われ、無念の敗退となりました。
世界選手権の個人戦で痛めた膝の怪我を抱えたまま、団体戦、そして親善試合と出場を余儀なくされて回復が遅れた佐藤でしたが、この日は要所を押さえて勝ち上がり、優勝こそ逃しましたが今ある力を出したように思います。これから来年に続く厳しい選考試合を勝ち抜くために、しっかりと取り組ませたいと思います。
63kg級
田中美衣:3位
田中は初戦を内股、そして2回戦でこれまで田中の壁となっていた強敵バンエムデンと対戦しました。この試合では組手を徹底しながら戦い、終始先に攻めて指導3を与え、最後は逆転を狙った相手の小外刈を大内刈で併せての一本勝で、見事雪辱を果たしました。準々決勝では同じく強敵のシュレシンガーを大内刈・有効で下して準決勝に進出しました。準決勝ではゾルニールと対戦し、徹底して組み手を嫌われ、抱き疲れた後に裏投で有効を奪われ、決勝進出はなりませんでした。
ゾルニールには柔道をさせてもらえませんでしたが、これまで勝てなかったバンエムデンに勝利したことは次につながる結果になったと思います。組み手のバリエーションや先に攻める形も徐々に身についてきており、更に強化を重ねて、再度世界の舞台に立たせたいと思います。
明日は70?級に今井優子が出場します。優勝目指して頑張ります。
監督