雨は夜更け過ぎに〜。
クリスマスの定番ソングが流れる店内。
クリスマスが待ち遠しいカップル達。
時計の針は…深夜1時。
今宵も迫り来る締め切り日に恐怖を感じながら修論に明け暮れとります。
後輩なのに鬼軍曹にあおられながら。
敬語とタメ語を使い分ける彼の一つ一つのことばに耳を傾けながら。
片手しか使えない僕のブラインドタッチは恐ろしく効率が悪い…。
眠気と空腹が僕の思考回路を邪魔する。
僕
「もうダメだ。」
鬼軍曹
「ダメじゃない 」
気を抜くと横から鬼の鉄拳が…。
血と涙で動かなくなったパソコンをそっと閉じると…
目の前には、もうすぐで完成だと言わんばかりのコイツが。
赤いパーカーを着て
「私はサンタだよ」
とでも言うつもりなのか?
お願い!本物のサンタさん。
僕に「修論」をプレゼントして下さい。
「おい!何ぼーっとしてるんだ!」
鬼軍曹の声が誰もいない店内に響きわたった…。