金丸雄介 51

突然の別れは、

後になって、辛く悲しくなるものなのですね…

出会った時から心惹かれるものは感じていました。

ただ…

あの頃の私にとっては高嶺の花、憧れの存在でしかありませんでした。

ようやく手にした時のあの喜びといったら、言葉では言い表せません。

黒く品やかな髪。

抜群のプロポーション。

少しお高くとまってる雰囲気はあるが、嫌味がない。

気品高く凛とした佇まい。

まさに理想的

ずっと一緒にいたいと思いました。

しかし…

彼女に起こった問題を支えることができず、なす術なく手離すこととなったのです。不甲斐なく…

別れなんてそんなもの。

そう思いました。いや、そう自分に思い込ませたのかもしれません。

その日は、雨上がりのよく晴れた日だったことを、よく覚えています。

別れがあれば出逢いがある…よく言ったものです。

別に妥協をした訳ではありません。

生活を崩したくなかっただけ。

自分に見合うものの中で好きな子を選んだだけ。

度胸がなかっただけ…

いい奴なんですよ。こいつ。

小さい割によく飯は食うけど、賢いし、肌白いし、走るのだって早いし…

これから、よろしくな。

でも…

今でも、あの彼女のことが頭に浮かんでくるんです。

私の知らない誰かと一緒にいるのだろうか?

街ですれ違っても、知らない顔をするのだろうか?

元気にしてるのだろうか?

ずっと、消えないでしょうね…

似ている姿を目で追ってしまう、今日この頃です。

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