西田優香 56

五月。

あの日からずっと進退について考えてました。

選抜が終わって五ヶ月間、本当に全くなにもやらなかった。

柔道生活22年、はじめて自分が強くなる事をやめた五ヶ月間でした。

今までできなかった友達と遊ぶ予定もたくさん入れた。

大学院生に戻って修論も書きはじめた。

花嫁修行もかねて料理教室にも通った笑

練習に出ても後輩が練習しやすいように、後輩が強くなるためのことしか考えてなかった。

辞める決断も続ける決断もすごく難しいものでした。

でも、こんな気持ちで、ちゃんと柔道から向き合わないで、自分の心と向き合えるはずがなかった。

そんな奴に畳に上がる資格はないと神様に言われたようでした。

評価ばかり気にしてた四年間。

その四年間トップ争いをできてた事は誇りに思う、ですごくすごく苦しい時間でもあった。

こんな競技人生のままでは道着はまだ脱げない。

四年間死ぬ気で頑張ったから、簡単に四年後なんて言えないけどー。

一つ一つ。

一年一年。

自分と向きあいながらやって行くと決めました。

講道館杯に出場します。

こんなに準備期間が短く、自信のない試合は久しぶりです。

でも、短い中でも自分のやれる準備は全てやった。

あとは、柔道を大好きでいる為に戦いたい。

最後に
抜け殻だった私に、ゆっくりでいいよと声をかけ続けてくれた理事長先生。
見捨てず優しく見守ってくれてた山田監督、そして関係者のみなさまがたに感謝します。

本当にありがとうございました。

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